本番の緊張を克服する6つの方法!

 

なぜあがり症を克服できたか?

 
演奏の時、緊張しすぎてうまく普段の力を発揮できないなんてことはありませんか?

わたしは数年前まで演奏の際、本当に緊張していました。

そのせいで練習では絶対間違わないパッセージをミスしたり、必死で反復練習を繰り返しても本番への恐怖を消すことができませんでした。

それが今では極端に緊張することはほとんどなくなり、以前のように演奏途中に頭が真っ白になったり、指が震えて演奏に支障をきたしたりはしなくなりました。

完全に普段通りではありませんが、ほどよい緊張があり、ひとまずは演奏に満足を感じられることが多いです。

さて今回は、なぜあがり症を克服できたか、その理由を実体験からまとめていきます!

 



 

理由その1. どんな優れた演奏家も人間ってことに気付いた。

 
まず前提として、「実力のある演奏家はどんな状況でも良い演奏をする」との思い込みがありました。

だから「良い演奏が出来なかった」=「自分は力のない演奏家だ」との図式がありました。

しかし、どんなに才能豊かで、努力している人でも、極寒の気温や極度の疲労など条件が悪ければ良い演奏はできません。

伝説的な演奏家、天才と謳われる人でも、初見で、ボロっちい楽器で、響かない場所で演奏すれば、きっとそれなりの演奏にしかなりません。

言い換えれば「才能と実力は全てを解決する」との思い込みをすてるべきです。

ホロヴィッツですら、演奏前に服用した薬の副作用で苦しみ、ワンダ夫人が「もう終わり…」と泣いてしまうような失敗をしました。

演奏は、すべての要素が整ってはじめて、良い演奏が可能になります。

演奏の良し悪しは演奏家の実力以外のものにも、大きく左右されることに気付くべきです。

超人に見えるひとはいますし、伝説もたくさん耳にしますが、それでもやっぱり外的要因に影響されない人はいません。みんな人間なんです。

 

 

理由その2. 距離の把握ができるようになった。

 
緊張してる時って、空間を、特に自分と客席との距離を正しく把握できてません。

緊張して呼吸が浅くなって「どうしよう!?」って感じる時は、まだお客さんが入ってなければ、客席をねり歩いてみてください。

席と席の間や、舞台の高さ、一番前の列から演奏する位置までの距離を何度か行き来して、はっきりと空間を把握するようにしてください。

そうすると不思議と音の出し方がなんとなくイメージできます。

客席が真っ暗闇で、自分にスポットライトが当たって、楽器と自分以外何も見えてない状態だと、ほんとうに緊張しやすいです。

お客さんってそんなに遠い位置に座ってないんですね。

 

 

理由その3. 出てきた音をそのまま受け入れるようになった。

 
緊張して、一発目に出す音は、だいたい「あれ?なんだこの音、この感触!?」って思いません?

そこで焦る必要は一切ありません。その音は、聴きなれてないだけで、本当はいつもの音に負けず劣らず素敵な音です。

感触が違うのは、自分や環境が普段の状態でないから当たり前で、それをいつもの感触に合わせようとするのでなく、その時の感触に自分を合わせてやってください。

かなり感覚的な話ですが、とても緊張する本番を経験されてる方は、きっとわかって頂けるのではないかと・・・。

「自分を普段の感触に戻す」ではなく、「本番の感触に自分を合わせる」です。

いつものような音や感触は無理です。その時、出てきたものを基準に音楽を作りましょう。

 

 

理由その4. 人にさわりまくった。

 
これは嘘のようで本当の話です。

フェルデンクライス・メソッドでは人の体をさわりまくり、自分も触られまくるので、スキンシップに抵抗がほとんどなくなりました。

そうすると自分の体に関しても、他人の体に関しても、ある種の恥ずかしさが薄れます。

例えば、毛深いやら、脇汗が目立つとか、おならの音などなど、人間の色々な生理現象に対して極端に恥ずかしいと思わなくなりました。

人間の機能として純粋に捉えられるようになったと言いますか・・・

そうすると人に注目される時に、顕著に恥ずかしさが薄れます。

わたしは身体法を勉強し、人にべたべた触る機会をもったことで、大幅に緊張が緩和しました。

実際、スキンシップが多い人ってあまり緊張しない人が多くないですか??

これは普通に暮らしてると実践がなかなか難しいですが、心に留めておく価値はあると思います!

 

 

理由その5. 上手になった。

 
単純に、自分の思い通りに楽器が扱えれば扱える程、緊張が解けます。

緊張の度合いは色々な要素に左右されるので、一概に言えないのですが、下手な時より上手になった時の方が自分を落ち着けやすいです。

下手な時は少しの緊張で散々な演奏になってしまいますが、上手になれば少々の緊張では演奏が崩壊しません。

よって恐怖がちょっとずつ少なくなるんです。

これを言っちゃ元も子もないかも知れませんが、確かに一つの真実ではあります。

自分の演奏への満足度が高ければ高いほど、緊張しにくくなるってことです。

 

 

理由その6. バカにするのをやめた。

 
わたくし以前は、演奏家に対して「こうあるべき!」との理想が強かったので、自分でも他人でもその基準に当てはまらないと見下していました。

もちろん口に出して言うことは少なかったですが、心の中には嘲笑がありました。

これはわたしの体験からくる法則ですが、人の失敗を笑うと自分も笑われます。

んでもって、批判や責めが強い人は緊張もしやすいです。

緊張しないためには、バカにするのをやめましょう。

人の演奏に対して、どこかしら良いところを見つけようとする習慣がついてくると、極度の緊張はずいぶんなくなりました。

ほとんど個人的なジンクスに近いですが、思い当たる節がある人はためしに心がけてみてください。

 

 

他にも色々あります

 
さてさて、あがり症を克服する方法を6つ紹介しましたが、如何だったでしょうか?

これらに加えて、ジストニア前と後で大きく考え方が変わったことも、あがり症を克服できた大きな理由だと思います。

これについてはクラシックギターのページにも書いてあります。

この記事が何かの助けになることを願いつつ・・・