理屈っぽいとダメ!? ~モーシェの一言11~
フェルデンクライス・メソッドは、一つ一つのレッスンに理論的背景があり、明確な理由があります。
モーシェは、それまでの科学的発見を踏まえて、仮説をたて、検証していった結果、メソッドを体系付けたのです。
彼は「巨人の肩に乗った人」(先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見する人)でした。
フェルデンクライス・メソッドは、一つ一つのレッスンに理論的背景があり、明確な理由があります。
モーシェは、それまでの科学的発見を踏まえて、仮説をたて、検証していった結果、メソッドを体系付けたのです。
彼は「巨人の肩に乗った人」(先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見する人)でした。
どの分野でも、名人と言われる人の動きは、単純で無駄のないものでしょう。
わたしたちも自分の動かし方について、名人になれます。
その際、習慣的で寄生的な動きが、どれほど体の問題をもたらしていたのかに気付き、きっと驚かれるでしょう。
ほとんどの場合、生徒は自分の年齢と同じ回数以上のレッスンは必要ありません。
そういうわけで、なんとなく惰性でレッスンをやり続けるのはお勧めできません。
人間はあらゆる動物の中でも重心が高く、重力に対して不安定なデザインに、もともとなっています。
しかし、それはさまざまな方向への自由な動きやすさでもあります。
現代では科学がすさまじい発展を遂げ、わたしたちの社会全体を支えています。
まるで科学にできないことはないかのように感じますが、科学では「How=どのように」には答えられても「Why=なぜ」には答えられません。
フェルデンクライス・メソッドのグループレッスンは「Awareness Through Movement」と名付けられていて、その意味は「動きを通しての気付き」です。
モーシェが言う「気付き」は、単に意識がある状態や、意図的に動いている状態とは違います。
意図的ではあっても、気付きがない動きはあります。
人間の感覚に関する精神物理学の法則で、「人間が気付くことができる最小の刺激は、すでに受けている刺激のおよそ1/40」というものがあります。
つまり、脳がたくさんの刺激を受けて興奮状態にあればあるほど、繊細な情報を認識できなくなるということです。
フェルデンクライス・メソッドの狙いは、「新しい動き」を学び、「新しい自分」になることにあります。
しかし、もし「古い自分」が学ぶ「新しい動き」なのであれば、それは以前の自分の延長線上にある動きで、本質的な変化はなかなか得られません。
メソッドと呼ばれる方法論は世の中に溢れていますが、フェルデンクライス・メソッドの一風変わった特徴は「正しい仕方を教えない」というものです。