vol.26 “人生とは動きである!?”

All manifestation of life is expressed through movement, and nervous activity, except for maintaining the body in a state enabling it to act. […]

Life and movement are practically the same thing.

全ての生命の現れは、動作を可能にする自己メンテナンス機能を除けば、動きと神経活動を通して表れます。

人生と動きは、実際には同じものです。

引用著作 : The Potent Self – p71

Enokuからの解説

モーシェは、人間という存在を動きの観点から理解しようとしました。

と言うのも、私たちの予想以上に、動きは私たちの本質に深く関わっているからです。

筋肉のわずかな緊張や弛緩も動きとすれば、日常のどんな営みも、ふとした思考や感情さえも動きが伴います。

試しに頭の中で1から10まで数えてみて下さい。

・・・今、目線を少し右上に動かしませんでしたか?また口の中がほんのわずかもごもご動きませんでしたか?

また11から20まで数えて、どちらが速く数えられたか比べてみて下さい。

・・・なぜ頭の中の出来事なのに1から10まで数える方が速いのでしょうか?

また、喜びや驚きなどの感情は、どんなに隠そうとしても表情筋や内臓などの反応に表れてしまいます。

むしろ、もし全く体の反応がなければ、果たして私たちは自分が喜んでいるのか驚いているのか気付けるのでしょうか?

人間の営みにはほとんど無限の種類がありますが、そのどれも動きと無関係なものはないでしょう。

あなたやわたしという人格は「動き」を通して表されますし、生きることは動くことと言い換えられます。

ですから、私たちが生きている限り、厳密な意味で止まることはありません。

そのような文脈でのモーシェの一言です。

モーシェは、習慣的な動きを変化させることによって人間そのものを変化させられると考えました。

彼にとって、フェルデンクライス・メソッドはただの健康体操ではありませんでした。