クラシックギター,  ジストニア,  フェルデンクライス・メソッド

ジストニアが治るプロセス


 

ジストニアが治るプロセスを動画で!

 

フォーカル・ジストニアを発症し、リハビリに取り組み、人前で弾けるようになるまで回復し、新しいテクニックを洗練していき、と病気の症状が出てから早8年、治ってから5年が経ちました。

実はとても幸運なことに、改善していくプロセスを同じ曲の演奏動画で記録していました。

(全く指が動かない、演奏不可能な時の動画はありません。精神的に絶望しているので、それどころではなかったです。)

 

今回は最新の動画を撮ってみて、過去のものと比較してみます。

時間のない人は一番下の動画から見て下さい。

この記録が今ジストニアと戦っている人への希望になればと願います。

 

※曲はRoland Dyens作曲のLibra SonatineよりFuocoです。指を速く動かす必要がある曲なので、ジストニア完治を証明するのに都合が良かったです。

 



 

ジストニア発症から9ヶ月ぐらいまで

 

ジストニア発症直後は、何をしても全く効果がありませんでした。

力を抜こうとしても、脱力うんぬんの次元でなかったです。完全に左手の指が硬直して弾けませんでした。

 

それから正確に9か月だったかは忘れてしまいましたが、ほんのかすかですが、意志通りに動かすことができるようになりました。

おそらく、ギターを完全にやめて、ピアノを弾いていたおかげだと思います。

でも、動きはガクガクブルブルしてる感じです。まるでナマケモノが地面を這ってる時のような感じでした。

 

 

この期間のリハビリについてはフォーカル・ジストニアの治療法に書いてあります。
 

 

ジストニアから2年と半年ぐらい

 

2012年11月20日の演奏動画です。

 

 

当時、すでにジストニアは完治したと思っていた(思いたかった)し、演奏も支障なくできると筈だと思っていましたが、動画を撮ってみると手が思い通りに動かないことがはっきりしました。

ただ単に練習不足だけではなく、確かに自分ではコントロールできない指の緊張を感じて、「やっぱり治ってないのか…?」と落ち込んだことを覚えています。

しかし、ジストニアの症状がひどかった時は最も簡単な音型すら弾けなかったのですから、治ってないと断定するわけにもいきません。

嘘も言っていないですし、ごまかしてもいないのですが、治ったとも治ってないとも言えるもどかしい時期が続きました。

 

 

ジストニアから4年と半年ぐらい

 

2014年10月14日の演奏動画です。

 

 

その後もリハビリを続け、3年半が過ぎた頃には完治したと自信をもって言えるようになりました。

上の動画はそれよりさらに1年経って、4年半が経過した時のものです。

ほとんどの動きにおいて、問題なく動かせるようになってきています。

しかし、ギリギリまでパフォーマンスの質を上げようとして、速度を上げると、指が不思議な硬直をし始めました。

まるで見えない壁のようなものを感じ、実際にはまるで治っていないのではないかと疑う時もしばしばありました。

(しかし、実際には動画でも確認できるように、はっきりと機能が向上しています。)

 

 

ジストニアから8年

 

2018年6月16日の演奏動画です。

 

 

その後も「やっぱり治ってないんじゃないか」というような症状が戻ってくる度に、フェルデンクライス・メソッドに基づいた発想から訓練を続けてきました。

ここまでくると、どう見てもジストニアは完治しています。

しかし、完全に思い通りに弾けているかというと、まだまだ改善点がたくさんあります。

予定では、フェルデンクライス・メソッドを利用した練習方法で、今ごろ超一流のテクニックを身につけている筈だったのですが、なかなか思った通りには進みません…!

何年先になるかはわかりませんが、次の動画ではさらに先を目指したいと思っています。

 

 

ジストニアのリハビリに取り組んでいる方へ

 

ジストニアを治したいと思うなら、以下の点に気を付けて下さい。

わたしも通った道です。

 

1.白黒つけようとしない。

ジストニアはあるラインを境に、「治った」とか「治ってない」とか、はっきりと定義できるものではありません。

ジストニアのリハビリは、指が勝手に動いてしまいコントロール不可能という地点から、何の問題もなく思い通りに動かせる地点まで、グラデーション状に続いている道です。

もし少しでも問題を感じるならば「治っていない」と判断して、そこで絶望してしまったならば、わたしはここまで歩いてこれなかったでしょう。

 

わずかな差を感じ取れるようになりましょう。それもポジティブな差です。

ごまかしがないのは美徳ですが、全てに白黒をつけようとしてしまうのは幼稚な態度でしょう。

 

2.思い込みを疑ってみる。

子供はジストニアになりません。一説によると非常に稀だそうです。

子供は思い込みが少ないからではないでしょうか。

 

わたしの経験上、ジストニアになる人はみな何らかの強い思い込みを持っています。

人体構造的の面での思い込みだったり、精神的な面での思い込みだったりします。

今までの自分の当たり前や習慣は、疑ってみないとなかなか気付けません。

事実を丁寧に見て、先入観を捨てていきましょう。

 

3.自分しか自分を治せないと知る。

ジストニアの治療法は確立されていません。

わたしは医者ではないですが、自身の経験から言って、これからも医学的な方法としてはなかなか確立しないでしょう。

なぜなら、ほとんどの場合、ジストニアの正体は「学習した習慣」だからです。

何を学習したかは人によって違い、習慣は過ごした人生によってそれぞれです。

ですから万人に通用する処方箋は存在し得ないでしょう。

 

自分の習慣は自分が一番よく知っていますし、だからこそ自分にしかジストニアは治せないのです。

最終的に完治させるには、自分の感覚だけが頼りになります。

 

 

Never Give Up!!

 

みなさま、Never Give Up!です!

わたしのお祖父ちゃんが「生きることは戦うことだ!絶望することは死ぬことだ!」と生前言ってました。

わたしもここまできたら、死ぬまで夢を追いかけてみます。

ギターを自由に弾き、芸術音楽の極みを味わってみたいです。

まさに「日暮れて道遠し」の歩みですが、それでも一歩一歩前に進んでいきたいです。