人間には他の動物にはない特別な能力があります。「自身が何をしているかを知る」ということです。
このために私たちは選ぶ自由を持つことができます。

音楽家のためのフィジカルトレーニング
音楽家のためのフィジカルトレーニング
人間には他の動物にはない特別な能力があります。「自身が何をしているかを知る」ということです。
このために私たちは選ぶ自由を持つことができます。
ノーベル賞をとった著名な科学者が「疲れるのは、筋肉に乳酸が溜まるからだ。」と言いました。
長い間それが通説となっていましたが、現在では、疲労は筋肉ではなく脳で起きていて、乳酸は疲れた時のエネルギー燃料であり、筋肉そのものはほとんど疲労しないと言われています。
「自然体」とは私たちにとって慣れ親しんだ言葉ですが、西洋言語にはそれに当たる言葉がなかなか見つかりません。
モーシェは理想とする体の状態を「Shizentai」と、日本語から引用して表しました。
よくフェルデンクライス・メソッドは進化論とつなげて語られますが、モーシェ自身は唯物論者ではなかったですし、進化論を「今のところ最も有力な科学的仮説」として捉えていました。
人間の機能は、原則的に身体の中心から端に向かって、大きく力強いものから小さく繊細なものになっています。
例えば、腰の筋肉は指先の筋肉に比べて、大きな仕事ができます。
ですから、重労働には出来るだけ体の中心に近い機能を使った方が楽なのは、言うまでもないことです。
ATMレッスン(グループレッスン)では、ゆっくりやりましょう。
寄生的で余計な動きを発見するのとそれを手放すのには、ゆっくり動く必要があります。
楽だったり、心地よかったりするならば、ほとんど際限なく能力を向上させていけます。
しかし、「そうしなければいけないからする」ならば、すぐに限界に突き当たり、「本質(How)」でなく「見てくれ(What)」にこだわるので本当の意味では学ぶことができません。
筋肉には弛緩と収縮しかなく、弛緩している分だけしか収縮させられません。
簡単に言うと、Offになっている筋肉しかOnにできません。
どんな動きをするにしても、筋肉を使う必要があり、そして、使えるのはその時リラックスしている筋肉だけなのです。
感覚は主観的なもので、外から何かの基準ではかることはできません。
フェルデンクライス・メソッドが取り扱うのは、まさにこの「言葉にできない主観的な感覚」なのです。
ほとんどの場合、生徒は自分の年齢と同じ回数以上のレッスンは必要ありません。
そういうわけで、なんとなく惰性でレッスンをやり続けるのはお勧めできません。