正しい方法は教えない!? ~モーシェの一言1~

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モーシェの一言

 

We, therefore, do not teach The Correct Way to Breathe, but all possible modes of breathing.

We do not teach people to hold the stomach drawn up and flat, but the full range of abdominal contraction, from blown-out expansion to complete emptiness of the abdominal cavity […].

The same holds true for the pelvis, the head, and every joint of the body.

The end effect is that in each situation the frame adjusts itself in the best possible way.

The Potent Self – p154, 155

 

ですから、わたしたちは「正しい呼吸の仕方」を教えるわけではありません。

しかし可能な全ての呼吸の仕方を教えるのです。

お腹を引き締め、平らにするようにと教えません。

しかし、お腹を縮める最大の可能性、お腹をめいいっぱい膨らますところからお腹と背中がくっつくようなところまで、を教えるのです。

同じことが、骨盤や頭、全ての関節にも言えます。

結果的に、身体は自然に状況に合わせて、最善の選択をしてくれます。

 



 

先生のちょこっと解説

 

メソッドと呼ばれる方法論は世の中に溢れていますが、フェルデンクライス・メソッドの一風変わった特徴は「正しい仕方を教えない」というものです。

 

実際、わたしたちは立つのも、歩くのも、走るのも、話すのも、誰かから「正しい仕方」を教えてもらって学びませんでした。

それらは成長する過程で、自然に習得していったものです。

わたしたち自身、自分がどうやって走れるようになったか、また話せるようになったか説明ができません。

それらの学習は全て、脳が自動で行ったものなのです。

 

モーシェはそのような脳の特性に注目して、「正解」を教えるのではなく、「選択肢」を教えるように言いました。

脳は、体験した選択肢の中から、最善の動きを状況に応じて選ぶようにできています。

ですからフェルデンクライス・メソッドのレッスンの目的は、その人の選択肢、可能性をその人自身に体験させることなのです。

 

モーシェ・フェルデンクライス博士(1904 – 1984)は、人間がどのような存在なのか、天才的な知恵と知識を用いて解き明かそうとしました。

彼の考案したレッスンは、自分で自分を制限してしまっている状態から解放され、自らの可能性に気付くためのものです。

 

 

今回の引用著作

 

The Potent Self

英語で書かれている原著です。モーシェの死後、1985年に出版されました。

 
 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。