モーシェの一言

動的平衡とは!? ~モーシェの一言18~

 

モーシェの一言

 

Life is not static.

It is a process continuing in time from the beginning and moving forwards to a future without limit.

Everybody probably knows that life is a process, but not everybody knows that static equilibrium is not applicable to a process.

The Elusive Obvious – p42
 

人の一生は静止したものではありません。

始まりから限りない未来に向かって、時間の中で進んでいくプロセスです。

全ての人が人生はプロセスだと知っているでしょうが、全ての人が静的平衡はプロセスに適応できないと知っているわけではありません。

 



 

先生のちょこっと解説

 

静的平衡とは、対象に対して外的な力が加わらず、完全に停止した平衡状態を指します。

これに対して動的平衡という言葉がありますが、これは一見静止しているように見えても、実際には動きの循環の中で平衡を保っている状態を指します。(正確な定義は物理学・化学においてのものなので、ここでの説明とは少し異なります。)

 

簡単な例でいうと、人間の細胞は毎日一定数死んで、毎日一定数作られ続けていますが、全体の総数としては変わりません。

一定の数の細胞が死んで、一定の数の細胞が生まれるのは動的ですが、全体で見れば人間という生物の形、機構を維持して平衡を保っているというわけです。

つまり、動きの中でバランスを保つことを動的平衡と言います。

 

天体や気象、国家など全て動的平衡を保っています。

また人間の動きや姿勢も静的平衡を適用できるものではなく、動きの中で平衡を保っていくものです。

良い姿勢、良い動き方、良い呼吸法などは、静止画的に見るべきではなく、環境に合わせて変化させるものです。

 

もし物事に唯一不変の「正解」があったとしても、それは動きの取れない方法ではありません。

一見矛盾に見えるかも知れませんが、非常に大事な考え方ですので覚えておいてくださいね。
 

 

今回の引用著作

 

The Elusive Obvious

英語で書かれている原著です。モーシェ最後の著作で、1981年に出版されました。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないかも知れません。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。