モーシェの一言

真実はひとつ!…でないの!? ~モーシェの一言19~

 

モーシェの一言

 

We usually distort facts by our own conviction.

Facts are not independent of the observer.

The Case of Nora – p39
 

私たちはよく自分の確信によって事実を捻じ曲げます。

事実は見る人から独立していません。

 



 

先生のちょこっと解説

 

ノラという女性は、何年も脳の認知の問題で文字が読めなかったのですが、モーシェの助けで回復しました。

しかし、読めたという明白な事実を前にしても、本人は最初なかなか信じられなかったようです。

そのような文脈での一言です。

 

人間の認知は、簡単にバイアスがかかります。

「私は事実に基づいて判断するから大丈夫」と思うかも知れませんが、モーシェは「事実は観察する人から独立していない。」と言います。

それならばどうやって物事を確かめたら良いのでしょうか?

 

フェルデンクライス・メソッドでは、何かを確かめようとする時に複数の機能を使います。

例えば、片目で見ていると奥行を把握することができません。

両目で見るのでより正確な認識ができます。

また人間には、目の機能だけでなく、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、また筋感覚があります。

 

つまり、何か一つの尺度で確かめられないなら、複数の尺度を使ってみると良いでしょう。

色々な尺度で、様々な方向から確かめていく時、より事実がはっきりし、真実に近づくことができます。

 

 

今回の引用著作

 

The Case of Nora

英語で書かれている原著です。1977年に出版されました。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。