正解かどうかより自由かどうか!? ~モーシェの一言2~

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モーシェの一言

 

When choice is reduced to only one movement or act without any alternatives, anxiety may be so great that we cannot even do the only possible movement.

The Elusive Obvious – p54

 

選択肢が、一種類の運動や動作になり、代替方法がなくなると、不安が増す。

それは可能だった筈の動きができなくなるほどである。

 



 

先生のちょこっと解説

 

わたしたちは、どんな動きにも「選ぶ自由」を持つ必要があります。

もし代替方法がなくなり、一つのやり方でしかできなくなると、そのやり方が良かろうが悪かろうが、上手くいかなくなります。

人間の機能を科学的に調べていくと、そのようになっているのです。

 

試しに、幅15cmほどの板を床に置き、端から端までその上を歩く想像をして下さい。(簡単にこなせそうですね。)

今度は、その板を支柱で高さ10mほどに持ち上げて、その上を歩く想像をしましょう。(かなり難しそうですね。)

最後は高層ビルの間に板をかけて、その上を歩いてみて下さい。(世界でもできる人は一握りでしょう。)

・・・なんでもないほど簡単な動きが、いかにして難しくなるかわかるでしょうか?

 

選択肢が制限され、代替方法がなくなると、できる筈の動きもできなくなります。

逆に、選択肢が広がり、代替方法が増えると、すでにできる動きがさらによくできるようになるのです。

これは、人間の動き全てを貫く原則で、どんなに小さな機能に対しても適用できます。

 

そういうわけで、フェルデンクライス・メソッドは、正しい動きを教えるものではなく、その人の選択肢を増やす、すなわち自由にするものです。

興味深いことに、正解を教えられることには抵抗感を持つ人が多いですが、自由になるのを拒む人はとても少ないのです。

 

 

今回の引用著作

 

The Elusive Obvious

英語で書かれている原著です。モーシェ最後の著作で、1981年に出版されました。

 
 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。