モーシェの一言

違いを感じることと構造主義!? ~モーシェの一言27~

 

モーシェの一言

 

Learning involves gaining a difference, and it must be a significant difference.

The Master Move – p177
 

学習とは、違いを会得することであり、それは意味のある違いでなくてはいけません。

 



 

先生のちょこっと解説

 

20世紀の人類の大発見の一つに、ソシュールの言語学やレヴィ・ストロースの構造主義が挙げられます。

簡単にその内容をまとめると、

事物の意味を決定するのは実は事物そのものではない。

「他のものがそうではない」という「差異」によって決まる

という考え方です。

 

例えば、人間はどのようにして緑色を緑色だと理解できるようになるかというと、緑色は赤でもなく、黄色でもなく、茶色でもなく、青でもないと他の色との関係を比較してようやく理解されます。

緑色という対象それ自身で緑色は決まらないのです。

 

人間のあらゆる学習は、この「差異を感じること」によって発達すると言っても過言ではないでしょう。

Articulateという英単語がありますが、その意味は「関節でつなぐ」です。

曖昧で一つにボヤっとつながっている世界を、違いで分けて、つなぎ直して認知していくことが学習なのです。

フェルデンクライス・メソッドの用語でいえば、分化と統合です。

アーティキュレーションとも言えます。

 

アーティキュレーションがない演奏、不明瞭な言葉の発音、未分化の身体の使い方、優しいだけでは女性にもてない(!?)こと、人間を善人悪人で分ける二元論。

実は全て同じ本質の問題であることがわかるでしょうか?

違いを感じ分けていくというのは、私たちにとってとても大切なことなのです。

 

 

今回の引用著作

 

The Master Move

1979年にカルフォルニアのMann Ranchで行われた5日間のワークショップの記録です。12のレッスンが収録されています。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないかも知れません。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。