モーシェの一言

半自動運転!? ~モーシェの一言28~

 

モーシェの一言

 

Conscious control and willpower, when properly directed, often improve certain details here and there, but intellect is no substitute for vitality.

A sense of the futility of life, tiredness, and a wish to give it all up is the result of overtaxing the conscious control with the tasks the reflexive and subconscious nervous activity is better fitted to perform.

The Elusive Obvious – p92
 

意識的なコントロールや意志の力は、適切に用いられれば、ある程度の細かいことを向上させられます。

しかし、知性は活力の代わりに全くなりません。

人生の無力感、疲れ、諦めは、反射機能や無意識の神経活動が担うべきものを、意識的なコントロールでやり遂げようと無理する結果、生じます。

 



 

先生のちょこっと解説

 

「歴史上最高のサッカー選手」との呼び声も高いリオネル・メッシのインタビューを先日見ていました。

インタビュアーから「なぜこのようなドリブルができるんですか?」と問われ、「さあ。一瞬のプレーだからね。一瞬のプレーだから考えている暇はないんだ。とっさの判断でうまくいっただけ。」と答えていたのが、印象に残りました。

 

わたしたちも当たり前のように、座ったり、立ったり、歩いたり、話したり、食べたりしますが「なぜできるんですか?」と問われたら、どう答えるでしょうか?

・・・もちろんわたしたちの意志で行っている行動ですが、一々考えてしているわけではありません。

いわば「半自動運転」なのです。

 

この半自動運転をつかさどるのが、「セルフイメージ」です。

人はそれぞれ「自分自身をどのように感じているか(セルフイメージ)」という基準に従って行動します。

ですからセルフイメージを変化させるのでなければ、知性や意志の力で絶えず矯正し続けるしかありませんし、それでは疲弊してしまいます。

 

フェルデンクライス・メソッドのレッスンは、正しい動きに矯正するためのものではなく、より豊かなセルフイメージを脳に学習させるためのものなのです。

 

 

今回の引用著作

 

The Elusive Obvious

英語で書かれている原著です。モーシェ最後の著作で、1981年に出版されました。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないかも知れません。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。