モーシェの一言

全部関係してる!? ~モーシェの一言37~

 

モーシェの一言

 

The structure of the nervous system is such that it is hard to imagine purely sensory or motor or vegetative impulses.

The most abstract thought has emotional-vegetative and sensory-motor components. […]

The whole nervous system, therefore, participates in every act.

Body & Mature Behavior – p36
 

神経系の構造はこのようになっていて、感覚神経の働きなのか、運動神経なのか、自律神経なのか区別することは難しいです。

最も抽象的な思考でさえ、感情が動き、体の動きにつながります。

すなわち神経系全体がすべての行いに関係しているのです。

 



 

先生のちょこっと解説

 

人間の神経がどのように機能しているかを、本のまるまる一章使って説明した後、モーシェが書いた一言です。

ほとんど医学書と言って良いほど、専門的な内容ですが、興味のある方は辞書を片手に読んでみて下さい。

今回の一言の重みがずっしりと伝わってくるでしょう。

 

人間の営みは、脊髄神経や自律神経によって統制されています。

しかし、それらはお互いに複雑に関わり合っています。

私たちの日常用語で言い表すならば、感情、思考、感覚、運動はそれぞれお互いに関連しあっていて、切り離せるものではないということです。

 

それは言い換えるとこうです。

私たちが料理をする時、どんな気分でニンジンを刻んでいるかが、私たちの首の痛みに関係しているのです。

夜、どんなテレビ番組を見るかが、翌日の仕事の効率に関係してくるのです。

水泳で汗を流すと、因数分解ができるようになるかも知れないということです。

 

何か問題にぶつかった時、一見全然関係のない所に解決がある可能性があります。

そして、これはよくある気休めの話ではなく、科学の話なのです。
 

 

今回の引用著作

 

Body & Mature Behavior

モーシェが自身のメソッドを初めて公表した本です。1949年に出版されました。内容がやや専門的です。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。