モーシェの一言

筋肉は疲れない!? ~モーシェの一言38~

 

モーシェの一言

 

It is known from physiology that the first element to fatigue in a neuromuscular elementary circuit is the motor cell.

The junction of the nerve to the muscle – that is, the motor plate ending of the nerve – is the next to fatigue.

The muscle itself fatigues last of all, and this happens very rarely.

The Potent Self – p87
 

生理学からわかっているのは、神経と筋肉の回路で、最初に疲労するのは運動神経ということです。

神経が筋肉に接続している部分(「終板」といいます。)が次に疲労します。

筋肉自体が疲労するのは最後で、これはほとんど起こりません。

 



 

先生のちょこっと解説

 

100年ほど前に、ノーベル賞をとった著名な科学者が「疲れるのは、筋肉に乳酸が溜まるからだ。」と言いました。

長い間それが通説となっていましたが、現在では、疲労は筋肉ではなく脳で起きていて、乳酸は疲れた時のエネルギー燃料であり、筋肉そのものはほとんど疲労しないと言われています。

 

ですから、同じ筋肉を使っていても、違った神経回路が刺激されるならば疲労は激減します。

立ちっぱなしと歩きっぱなしでは、後者が楽なのはそういう理由です。

また興味のある講義と興味のない講義を聞くのでは疲労感がまるで違うのも多くの方が経験済みでしょう。

 

同じ神経細胞が刺激され続けると、次第にコントロールが効かなくなり、最終的には神経が死んでしまいます。

訓練の目的で、同じ動き(特に小さな動き)を過度に繰り返すのは避けた方が良いでしょう。

それよりも変化をつけて、様々な方法で動きを試す方が、神経系の仕組みにかなっていて学びの効率が良いのです。

 

 

今回の引用著作

 

The Potent Self

英語で書かれている原著です。モーシェの死後、1985年に出版されました。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。