モーシェの一言

人間だけの特徴!? ~モーシェの一言39~

 

モーシェの一言

 

The nearer the weight of the brain at birth to that in the adult animal, the nearer the capacity for functioning at birth to that of the adult animal. […]

He, of all animals, is born with the smallest fraction of the ultimate weight of the adult brain.

Herein lies the most significant of all differences between man and other animals.

Body & Mature Behavior – p36
 

成長しきった脳の重さに、生まれた時の脳の重さが近ければ近いほど、生まれた時の機能と成長しきった時の能力に差がなくなります。

人間は、あらゆる動物の中で、最も子供と大人の脳の重さが違います。

ここに人間と他の動物を分ける最大の違いがあるのです。

 



 

先生のちょこっと解説

 

人間の最大の特徴は学習能力です。

人間と他の動物の違いは、よく言葉を使う能力だとか、道具を扱う能力だとか言われます。

しかし、程度の差はありますが、イルカは言語を使いますし、チンパンジーは道具を使えます。

人間しか心を持っていないとも聞きますが、犬にさえ感情の起伏があります。

モーシェの洞察では、そのような表面的な違いを支える本質的な違いは、脳の変化しやすさにあると言いました。

 

人間の脳の変化する性質は、専門用語で「脳の可塑性(かそせい)」と言います。

人間以外の動物は、生まれながらにしてほとんど成体と同じことができます。

馬は生まれた瞬間に立ち上がって走りますし、魚は泳ぎます。

完全変態である生物(カエルや蝶々など)を見ても、すでに始めから必要な機能がほとんど備わっていて、人間のように機能を学習していく必要がありません。

ところが人間は、わずかな本能的な機能を除けば、後は学習によって全てを体得します。

人間だけが特異とも言える、脳の柔軟性(可塑性)を持っているのです。

 

そういうわけで、繰り返しになりますが、人間の特徴は変化することです。

新しいことにチャレンジすることや、自分を変えることは、人間らしさの追求です。

どんどん変化してやりましょう!
 

 

今回の引用著作

 

Body & Mature Behavior

モーシェが自身のメソッドを初めて公表した本です。1949年に出版されました。内容がやや専門的です。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。