モーシェの一言

いやらしいなんて言わないで!? ~モーシェの一言44~

 

モーシェの一言

 

Coitus is a pleasurable act. […]

In the sexual act, as in any act, there is a sensory, a motor, and an emotive component.

In some act, one of the components may be for practical reasons ignored.

Not so in the sexual act. Here, the act is incomplete and fails to achieve the biological reaction if any of the components is even partially incomplete.

Body & Mature Behavior – p174, 178
 

性交は喜びの行為です。

性行為は、他の行為でもそうであるように、感覚、運動、感情の要素を含みます。

他の行為では、便宜上考慮されない要素もありますが、性行為においてはそうではありません。

一つでも欠けた要素があるならば、性行為は不完全で生理的反応を達成するのに失敗します。

 



 

先生のちょこっと解説

 

性について語ると、少しぎょっとするかも知れません。

しかし人間の機能を理解するためには避けては通れない話です。

 

「男性である」また「女性である」ということは、外見上の特徴を決定するだけでなく、内分泌系の働きを決定的に変えます。

 

たとえば、いわゆる「男性ホルモン」と呼ばれるテストステロンは、男性においては主に睾丸で生成され、女性においては卵巣などで生成されますが、女性は男性の10%程度しか分泌されません。

そしてテストステロンは、骨格や筋肉のつき方、判断力、リーダーシップ、空間把握能力、味覚などに大きな影響を与えます。

つまり全人格に影響するのです。

 

また女性の場合は、エストロゲンの働きが特徴的で、外見を美しくさせると同時に、自律神経を整え、衝動や依存症を抑えるセロトニンを活発にしてくれます。

このためギャンブル依存症などは圧倒的に男性に多いのです。

 

他にも語ろうとすれば枚挙にいとまがありませんが、性行為というのはそれら全ての最終到達点で、全人格が関わる行為です。

ですから、自分の性行為に目を向けずして、自分を理解することは難しいでしょう。

またどんな機能(思考、感覚、感情、運動)の改善も、性機能の改善につながっています。

 

 

今回の引用著作

 

Body & Mature Behavior

モーシェが自身のメソッドを初めて公表した本です。1949年に出版されました。内容がやや専門的です。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。