モーシェの一言

習慣を越えて!? ~モーシェの一言48~

 

モーシェの一言

 

In general, the later the new patterns of doing are called into action, the greater our tendency to use the old, established ones with as little change as possible.

The Potent Self – p43
 

一般的に、新しいやり方を試すのが遅くなればなるほど、古くてすでに確立されたやり方をできるだけ変化させずに使おうとする傾向が強くなります。

 



 

先生のちょこっと解説

 

私たち人間は、生まれた時はほとんど何もできませんが、その後長い成長期を通じて、様々な機能を発達させていきます。

神経系が外界からの刺激に反応して、様々な反応パターンに親しんでいくのです。

(具体的には、神経細胞の軸索のまわりにミエリンが形成されて、絶縁体の役割を果たし、細胞間のやり取りを高速化します。)

 

一度、親しんでしまったパターンは頻繁に使われるので、ますます慣れ親しんでいきますが、成長期に親しまなかったパターンは時間と共にますます疎遠なものになってしまいます。

これをモーシェは「習慣」と呼んで、新しいやり方を学ぶ時に邪魔になってしまうと言いました。

 

習慣そのものは良いものです。

習慣があるので、私たちは歩けますし、歌を歌えますし、自転車に乗れます。

しかし、習慣が強まり過ぎて、新しい動き(反応)を学べなくなってしまうと、そこで私たちの人生はとても息苦しいものになってしまいます。

 

人間は他のどんな動物に比べても、学習によって変化できる割合がとてつもなく大きく、機能を発達させるようにデザインされています。

ですから、変化することができなくなるのは、人間らしさを失うとも言えるのです。

フェルデンクライス・メソッドは、私たちが習慣を越えて、いかに成長し続けていくかの学びです。

 

 

今回の引用著作

 

The Potent Self

英語で書かれている原著です。モーシェの死後、1985年に出版されました。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないでしょう。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。