モーシェの一言

科学の限界!? ~モーシェの一言7~

 

モーシェの一言

 

I have deliberately avoided answering the whys. […]

In science, we really only know how.

Elusive Obvious – p9
 

なぜ?の問いにはわざと答えていません。

科学はどのように?の問いにしか、本当には答えられません。

 



 

先生のちょこっと解説

 

現代では科学がすさまじい発展を遂げ、わたしたちの社会全体を支えています。

まるで科学には限界がないかのように感じますが、科学では「How=どのように」には答えられても「Why=なぜ」には答えられません。

 

例えば、なぜ男性は女性が好きなのでしょう?子孫を残すためでしょうか?

それでは、なぜ子孫を残すのでしょう?種族の繁栄のため?

では、なぜ種族は繁栄しなくてはいけないのでしょうか?

・・・生命の理について、科学は最終的に答えることができません。

 

また、例えば、電気がどのような性質のもので、どのように利用できるかについては多くの人が答えられますが、電気がなぜ存在するのかについては誰も明確な答えを持っていません。

 

同じように、モーシェはフェルデンクライス・メソッドを用いて、人間がどのように機能するのかについては説明できるが、なぜそのように機能するのか、なぜそのような存在なのかについては答えられないと言ったのです。

哲学者のルードヴィヒ・ウィトゲンシュタインは「語りえぬものについては沈黙しなければならない」と述べましたが、私たちのお師匠もそのような真摯な態度を貫きました。

 

師匠がそうであるのですから、生徒である私たちもそのように振舞うべきでしょう。

よく混同されがちですが、フェルデンクライス・メソッドは形而上のものを扱う宗教ではありません。

「Elusive Obvious」はモーシェの生涯最後の著作ですが、彼は最後まで科学者であり続けたのです。

 
 

今回の引用著作

 

The Elusive Obvious

英語で書かれている原著です。モーシェ最後の著作で、1981年に出版されました。

 

 

 

フェルデンクライス・メソッド未体験の方へ

 

この「モーシェの一言」シリーズは、フェルデンクライス・メソッドをより深く理解するための覚え書きです。

毎週のグループレッスンで一つずつ書いていき、全部で50週分のシリーズになりました。

一般的ではない言葉の使い方や、常識外れのアイデアが多いので、実際にレッスンを体験しないと何を言っているのかわからないかも知れません。

最初から全てわからなくても良いので、気を楽にしてモーシェ・フェルデンクライス博士の思考に触れていってみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドについてはこちらの記事でも簡単に紹介しています。

 

またもし興味のある方は、ぜひ前後の文脈を、辞書を片手に原著で読んでみて下さい。

フェルデンクライス・メソッドに対する理解が深まり、その計り知れない価値に気付かれるでしょう。